リップル(XRP)の実需に向けた実証実験が、アメリカ〜メキシコ間のリアルタイム国際送金をわずか2〜3秒でつなぐという結果で成功しました。
今回利用されたのは、XRPを活用するリップル製品「xRapid」。xRapidは多くの銀行で実証実験が行われていますが、具体的な数字とともに結果が公表されたのは今回が初めてのことです。
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リップル(XRP)の実需へ向けた送金テスト、アメリカ〜メキシコ間で成功
こんにちは、仮想通貨ライターのフェニックスA子(@lipton_milk999)です。
リップル社のXRPを活用するプロダクトである「xRapid」について、XRPの実需へ向けたパイロットテストの良好な結果が出たことが同社公式からアナウンスされ、明るいニュースとなっています。
コスト40〜70%減、送金時間はわずか2分(トランザクション2秒)
XRP実需の前段階となる、アメリカ〜メキシコ間で実施された「xRapid」を用いた送金テストの結果が、コストとして40〜70%の削減、平均の送金時間が2分程度であることが公表されました。
アメリカとメキシコ間の重要な送金ルートにおける支払いにおいて、金融機関がxRapidを使用したところ、従来の外国為替ブローカーへ支払う手数料と比べて、約40〜70%のコスト削減に成功しました。
国境を超えた送金の場合、現在は通常で2〜3日はかかるところ、xRapidによる支払いでは平均でわずか2分少々しかかかりませんでした。
このうち、XRP台帳に依存する転送時間は2〜3秒程度で、残りの時間は中継となるデジタル資産取引所とローカル支払い業者間の経路によるものです。
(Rippleインサイトより)
https://ripple.com/insights/first-pilot-results-for-xrapid/
xRapidの予測性能どおりの結果を実証
これは、XRPとxRapidに期待された通りのテスト結果です。さらにこの試験が、アメリカ〜メキシコ間という重要なルートでのリアルタイム送金テストによるものという点が、非常に意味のある結果となっています。
xRapidはグローバルな送金において、遅延を大幅にカットしコストを大幅に削減する国際送金ソリューションです。
高速で低コストを実現するのは、送金手続きの裏で動いている仮想通貨XRPの性能によるところが大きく、XRPの支持者からも期待を集めているプロダクトとなります。
XRPとリップル製品については、こちらにまとめています。
xRapidを使った支払いはどのように行われる?
今回のテストでも利用されているxRapidを使った国際送金は、次のような手順で行われます。
- 金融機関は、送金元と送金先を結ぶデジタル資産取引所に直接接続する
- 送金元の通貨は、支払いに強力な流動性を提供するためのデジタル資産(ブリッジ通貨)であるXRPへ交換される
- 同時に、わずか数秒程度で、XRPは次の取引所において送金先の通貨へ交換される
- 一度この取引が成立すると、資産は支払い先の国へのローカルな経路で送られる。
- 取引はエンドツーエンドで追跡されており、結果としてクロスボーダー取引はこれまでより安く、高速に行えるようになる
XRPで双方の現地通貨へ瞬時に両替
xRapidを使うと、中継として一度、デジタル資産であるXRPへと両替されます。しかしこれは一瞬のことで、すぐに現地通貨へと置き換えられます。
この時、送金元と送金先の通貨が別々のものであること(例えば、USドルとメキシコペソ)、そして為替取引を含む送金が数秒以内に完結していることが、とても重要になります。これまでは数日かかっていた為替変動レートのリスクを避けられるからです。
xRapidでの送金については、MoneyTapを例にこちらの記事にまとめています。
ブリッジ通貨としてのXRPが流動性を提供
xRapidの裏で動いているのは、ブリッジ通貨として使われることを前提に設計されたXRPです。XRPが十分な流動性を与えることで、送金がより安く、高速に行えるようになります。
また、各地の現地通貨や仮想通貨(ビットコインやその他の銘柄)とも交換することができ、カスタマーは望みの通貨での送金や支払いを行うことができるようになります。
ブリッジ通貨としてのXRPについては、こちらで説明しています。
まとめ
リップル製品の中でもXRPの実用を狙ったxRapidが、国際送金の実証実験に成功した件を紹介しました。
アメリカとメキシコを結ぶリアルタイム送金で、コストを40〜70%もカットし、送金時間はトータルでわずか2分、xRapidの送金トランザクションだけではたったの2秒であることが実証されました。
これは、xRapidおよびXRPに期待されていた性能そのものであり、パイロットテストは成功したと言えます。
これを機に、xRapidおよびXRPの国際送金での実需がより現実的なものとなり、導入を検討する金融機関が増えることが期待されます。
参考記事:https://ripple.com/insights/first-pilot-results-for-xrapid/